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「一級建築士」試験問題/ホームメイト
練習問題(上級編)
建築計画
「建築計画」についての練習問題をやってみましょう。間違えたところは何度も繰り返して、解けるようにしておきましょう。
- 問1) 換気
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換気に関する次の記述のうち、不適切なものはどちらか。
①便所や厨房などの室内では、新鮮な空気が不足しやすいので給気ファンによる換気が望ましい。
②室内外の温度差による換気において、室内の上下に設けられた開口部の大きさが異なる場合、中性帯の位置は、一般に開口部の大きいほうへ近づく。■答え ①
■解説
便所や厨房などでは、臭気などが隣室に流出しないよう、室内を負圧に保つ排気ファンによる換気(第3種換気)が望ましい。
- 問2) 日射
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日射に関する次の記述のうち、不適切なものはどちらか。
①地表に到達する太陽放射エネルギーは、可視光線と赤外線が大部分を占め、紫外線は1~2%程度である。
②窓ガラスの日射遮へい係数は、その値が大きいほど遮へい効果が大きい。■答え ②
■解説
窓ガラスの日射遮へい係数は、窓ガラスの日射熱取得率(窓ガラスに当たる日射量のうち室内に流れ込むものの割合)を、3ミリメートル厚の普通透明ガラスの日射熱取得率(約0.88)で除したものである(3ミリメートル厚の普通透明ガラスの値を基準(=1)として表す)。
したがって、日射遮へい係数が大きいほど室内に流れ込む熱量が大きく、遮へい効果が小さくなる。日射遮へい係数は、窓面における日射の遮へい性能を示すものとして、空調負荷計算時などに用いられる。
- 問3) 公害
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公害に関する次の記述のうち、不適切なものはどちらか。
①独立した建築物において風下壁面から煙などの汚染質を排出した場合、風下壁面及び地上面における濃度が一般に高くなる。
②騒音レベルとは、聴覚の周波数特性を反映したC特性の重みづけをして測定された音圧レベルを言う。■答え ②
■解説
騒音レベルとは、音圧レベルを聴覚の周波数特性により補正して測定したもので、これを測定する普通(指示)騒音計には聴感に合わせたA、Cの聴感補正回路が組み込まれている。
最近では、40phonの等ラウドネス曲線に近似させたA特性による測定値が最も聴感に近いと言われ、このA回路による補正をしたA特性音圧レベルを騒音レベルと呼ぶ。単位は、dBまたはdB(A)である。C特性はほぼ平坦な補正であり、音圧レベルの近似値として用いられている。
- 問4) 採光・照明
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採光・照明に関する次の記述のうち、不適切なものはどちらか。
①採光計画において、室内仕上げの反射率を低くすると、照度の分布は均一化する。
②昼光率は、全天空照度の時間的変化にかかわらず一定の値となる。■答え ①
■解説
照度分布を均一にし、均斉度(最小照度/最大照度)を良くするためには、室内に暗いところが生じないように、天井や壁はなるべく反射率が大きく明るい色とすることが有利である。
- 問5) 建築環境工学
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建築環境工学で用いられる用語に関する次の記述のうち、不適切なものはどちらか。
①フラッターエコーとは、直接音と反射音の時間的配列を知るため、オシロスコープなどで測定・記録した波形のことである。
②ADPIとは、室内の居住域を立体的な格子点で分割し、気流と温度を測定することによって求められ、ドラフト感についての指標として用いられる。■答え ①
■解説
フラッターエコーとは、相対する音響反射面の間で音が何度も往復反射し、2重3重に繰り返し聞こえる現象である。鳴竜とも言う。設問は、エコータイムパターンに関する記述である。
建築法規
「建築法規」についての練習問題をやってみましょう。間違えたところは何度も繰り返して、解けるようにしておきましょう。
- 問1) 建築基準法①
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次の記述のうち、建築基準法上、不適切なものはどちらか。
①自動車車庫の用途に供する壁を有しない建築物で、階数が1、床面積が3,000平方メートルのものは「開放的簡易建築物」に該当する。
②鉄筋コンクリート造平屋建の建築物の床は、「主要構造部」である。■答え ②
■解説
法2条5号。主要構造部は、壁・柱・床・はり・屋根または階段を言い、最下階の床は、主要構造部から除かれる。
- 問2) 建築基準法②
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次の記述のうち、建築基準法上、適切なものはどちらか。
①国土交通大臣の指定を受けた者(指定確認検査機関)は、5年以内ごとに更新を受けなければその期間の経過によってその効力を失う。
②高さ8メートルの木造2階建、延べ面積300平方メートルの事務所の瓦葺屋根を全部金属板葺屋根に修繕する場合は、確認済証の交付を受けなければならない。■答え ①
■解説
法77条の23、令136条の2の13。政令で定める期間は5年となり、5年以内ごとに更新を受けなければ効力を失う。
- 問3) 建築基準法③
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面積、高さまたは階数に関する次の記述のうち、建築基準法上、不適切なものはどちらか。
①第1種低層住居専用地域内における建築物の各部分の高さは、当該部分から隣地境界線までの真北方向の水平距離によって制限される場合においては、真北方向の隣地の地盤面からの高さによる。
②建築物の地階にある倉庫と機械室の部分で、水平投影面積の合計が当該建築物の建築面積の6分の1である場合、その部分は建築物の階数に算入する。■答え ①
■解説
令2条1項6号。法56条1項3号の規定による建築物の高さは地盤面からの高さとなるが、この地盤面は令2条2項より、当該建築物の敷地の地盤面のことである。隣地の地盤面ではない。
建築構造
「建築構造」についての練習問題をやってみましょう。間違えたところは何度も繰り返して、解けるようにしておきましょう。
- 問1) 荷重及び外力
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荷重及び外力に関する次の記述のうち、不適切なものはどちらか。
①建築物の振動特性係数Rtを算定する場合、泥土で大部分が構成された沖積層の深さが30メートル以上のものは、第1種地盤であるが、固有周期が0.4秒以下では、第3種地盤と同じ値となる。
②高層建築物の場合、その高さが高いものほど、一般に、地上部分最下層の地震層せん断力係数C1は小さくなる。■答え ①
■解説
建築物の振動特性係数Rtを算定するとき、第1種地盤は岩盤、硬質砂れき層、その他主として第3紀以前の地層によって構成されているものなどが該当する。
第3種地盤は腐植土、泥土、その他これらに類するもので大部分が構成されている沖積層(盛土がある場合においては、これを含む)で、その深さがおおむね30メートル以上のものなどが該当する。
なお、固有周期(設計用1次固有周期)Tが0.4秒以下の建築物では、Rtは地盤種別によらず一定で1.0である。建築基準法施行令88条、告示(昭55)第1793号第2。
- 問2) 土質及び地盤
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土質及び地盤に関する次の記述のうち、不適切なものはどちらか。
①堅い粘土質地盤では、長期に生ずる力に対する許容応力度を100kN/m²として良い。
②砂質土地盤の液状化は、細粒土含有率が低い飽和地盤で起こりやすく、その判定は一般に圧密試験による。■答え ②
■解説
砂質土地盤の液状化の有無を判定する試験としては、細粒土含有率と地下水の状況の分かる粒度試験がある。圧密試験は、粘性土地盤の沈下特性の判断に利用される。なお、地下水位下にある飽和砂質土層については、細粒土含有率が低いほど、また、N値が小さいほど地震時に液状化が起こりやすい。建築基礎設計のための地盤調査計画指針。
- 問3) 木質構造
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木質構造に関する次の記述のうち、不適切なものはどちらか。
①在来軸組工法において、耐力壁の面材として厚さ5ミリメートルのハードボードを用いた。
②在来軸組工法の木造建築物の風圧力に対する設計において、1階の必要壁量を計算するための見付面積として、1階の床面からの高さ1.5メートルから上部の見付面積を用いた。■答え ②
■解説
木造建築物の風圧力に対して1階の必要壁量を求めるときの見付面積は、1階の床面からの高さ1.35メートルから上部の見付面積を用いる。建築基準法施行令46条4項。
- 問4) 鉄骨造
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鉄骨造に関する次の記述のうち、不適切なものはどちらか。
①高さ13メートル、軒の高さ9メートル、スパン6メートル、地上3階建、延べ面積500平方メートルの鉄骨造の建築物を耐震計算ルート1で設計する場合、標準せん断力係数を0.1として計算した。
②保有水平耐力時に、鉄骨造のはりの継手部に塑性化が想定されたので、必要に応じた塑性変形を生じるまで継手部が破断しない保有耐力接合で設計した。■答え ①
■解説
鉄骨造の建築物を耐震計算ルート1で設計することができるものは、次の(イ)から(ヘ)までに該当するもの(告示(昭55)1790号4号)。
(イ) 地階を除く階数が3以下であるもの。
(ロ) 高さが13メートル以下で、かつ軒の高さが9メートル以下であるもの。
(ハ) 架構を構成する柱の相互の間隔が6メートル以下であるもの。
(ニ) 延べ面積が500平方メートル以内であるもの。
(ホ) 建築基準法施行令第88条1項に規定する地震力について標準せん断力係数を0.3以上とする計算をして、建築基準法施行令第82条第1号から第3号までに規定する構造計算をした場合に安全であることが確かめられるもの。
(ヘ) 水平力を負担する筋かいの軸部が降伏する場合において、当該筋かいの端部及び接合部が破断しないことが確かめられるもの。したがって鉄骨造の建築物を耐震計算ルート1で設計する場合は、標準せん断力係数は、0.3以上としなければならない。
- 問5) 鉄筋コンクリート造
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鉄筋コンクリート構造に関する次の記述のうち、不適切なものはどちらか。
①柱は、主筋を増すと強度は大きくなるが、粘り強さは小さくなる。
②脆性的な破壊形式である付着割裂破壊を避けるには、部材の断面の隅角部に太い鉄筋を配置する。■答え ②
■解説
柱及びはりにおいて多量の主筋を配置した場合、耐力が曲げ強度近くに達すると主筋に沿って小さな斜めひび割れが多数発生し、次第にかぶり部分のコンクリートが剥落し主筋に沿った付着割裂破壊により脆性的な破壊を示すことがある。この破壊モードを防ぐには、部材断面の引張鉄筋の周長和を大きくするため、細い鉄筋を多く配置する方が良い。
建築施工
「建築施工」についての練習問題をやってみましょう。間違えたところは何度も繰り返して、解けるようにしておきましょう。
- 問1) 一般的な事項及び施工計画
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工事施工にあたって、必要とされる一般的な事項及び施工計画に関する次の記述のうち、不適切なものはどちらか。
①JASS(日本建築学会建築工事標準仕様書)1と、JASS2以下の各仕様書との内容が矛盾する場合は、JASS2以下の各仕様書を優先する。
②設計図書の優先順位は、現場説明書、質問回答書を含む見積要領書、設計図、特記仕様書、標準仕様書の順序である。■答え ②
■解説
設計図書の優先順位は下記の順序である(JASS1)。
①見積要領書(現場説明書、質問回答書を含む)
②特記仕様書
③設計図
④標準仕様書
- 問2) 工事現場の管理
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施工者が行なう工事現場の管理に関する次の記述のうち、不適切なものはどちらか。
①所要の品質及び性能の確保が可能な工法であっても、請負契約時における設計図書に定められた工法以外の工法での施工はできない。
②材料・部材・部品の受入れ検査は、原則として施工者が行ない、その実施に際し、必要に応じて監理者の立会いを受ける。■答え ①
■解説
基本的に、設計図書に指定がない場合は工事を実施する手段・方法は施工者が決定するが、指定がある場合はこれに従う(JASS1)。
しかし工法の改善・進歩は著しく、施工の合理化、コストの縮減の観点から、契約時の設計図書に定められた工法以外の工法で、所要の品質及び性能の確保がより有効、適切に可能な場合は、監理者に提案(Value Engineering Change Proposal:契約後のVE提案)し、監理者はこれを受け協議する。
この代案が、安全かつ合理的なもので所要の品質及び性能が確保され、明らかに工事費が異なる場合には設計変更の処理を行なう。建築工事監理指針。
- 問3) 材料管理など
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材料管理などに関する次の記述のうち、不適切なものはどちらか。
①鉄骨工事用鋼材の種類・形状・寸法は、規格品証明書の原本もしくは原本相当規格品証明書によって現品と照合する。
②支給品を定められた目的に使用する場合は、監理者に使用箇所・使用量・残量を報告しなくても良い。■答え ②
■解説
支給品は定められた目的以外には使用しない。また、使用箇所、使用量、残量を監理者に報告するが、報告の時期・方法は監理者と協議して決める。特に残量については、その処理のこともあるので記録を残し報告する(JASS1)。
- 問4) 建築工事に関連する届など
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建築工事に関連する届などに関する次の記述のうち、適切なものはどちらか。
①2以上の建設業者が同一工事を共同連帯して請け負ったので、「共同企業体代表者届」を特定行政庁あてに提出した。
②支柱の高さが3.5メートルの型枠支保工を設置するため、「建設物・機械等設置届」を労働基準監督署長あてに提出した。■答え ②
■解説
型枠支保工(支柱の高さが3.5メートル以上のものに限る)の建設物・機械等設置届は、労働基準監督署長に提出する。労働安全衛生法88条、同規則88条、同別表第7第10号。
- 問5) 仮設工事
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仮設工事に関する次の記述のうち、不適切なものはどちらか。
①鋼管規格に適合する単管足場において、建地の間隔については、けた行方向を1.5メートル、はり間方向を1.8メートルとした。
②タワークレーンの作業において、10分間の平均風速が10m/s以上となったため、作業を中止した。■答え ①
■解説
単管足場の建地の間隔は、けた行方向を1.85メートル以下、はり間方向は1.5メートル以下とする。労働安全衛生規則571条。